「安かったからシールで作ったけれど、すぐに文字が消えてしまった」
「屋外に設置したら、アクリルがひび割れてしまった」
銘板製作において、こうした「素材選びの失敗」は少なくありません。銘板は製品の「顔」であり、時には安全を守る「警告」としての役割も果たします。一度作れば長く使うものだからこそ、価格だけで選ぶのではなく、使用環境に合わせた最適な選定が重要です。
今回は、創業以来多くの銘板を手掛けてきた吾妻工業が、失敗しないための銘板選びのポイントを詳しく解説します。
発注前に必ず確認したい「4つのチェックリスト」
最適な銘板を選ぶために、まずは以下の4つのポイントを整理してみましょう。
- 【設置場所】 屋内ですか?屋外(直射日光・風雨)ですか?
- 【接触物】 水、油、薬品、または溶剤(シンナー等)に触れる環境ですか?
- 【耐久年数】 数ヶ月の仮設用ですか?それとも10年以上の長期使用ですか?
- 【取付方法】 ネジ止め、両面テープ、あるいは曲面への貼り付けですか?
これらが明確になれば、自ずと選ぶべき素材が見えてきます。
【素材別】特徴と得意なシチュエーション
銘板に使われる代表的な素材と、その特性を比較しました。
| 素材 |
特徴・メリット |
主な用途 |
| アクリル銘板 |
機械彫刻により文字が消えない。高級感と立体感がある。 |
制御盤、スイッチ、室内サイン |
| アルマイト銘板 |
表面が非常に硬く、耐摩耗性・耐候性に優れる。薄くて丈夫。 |
機械の定格銘板、警告板、表示銘版 |
| シール銘板 |
安価で大量生産向き。柔軟性があり、曲面にも貼れる。 |
消耗品ラベル、管理シール、ステッカー |
「消えない文字」の秘密:加工方法の違い
「文字の視認性が長く続くこと」は、銘板の最も大切な機能です。
- 機械彫刻(アクリル等):
素材を物理的に彫り込むため、万が一表面のインクが落ちても文字を読み取ることができます。制御盤や操作盤など、絶対に間違えてはいけないスイッチ類に最適です。
- アルマイト印刷(アルミ):
アルミの微細な孔(あな)の中に染料を封じ込める特殊な印刷です。表面が非常に硬いため、こすったり油が付いたりしても文字が消えにくいのが特徴です。ただ、使用する色によっては、直射日光に弱いことがあります。
- シルク印刷:
色の再現性が高く、ロゴマークや多色使いのデザインに向いています。屋内、屋外問わず様々な場所でお使いいただけます。
- シール印刷:
シーリングマシンで印刷を行います。基本は室内で使う用途となります。対候性はあまり無い為、直射日光には弱いことがあります。
プロが教える「コストを抑える」アドバイス
「高品質な銘板を作りたいけれど、予算も抑えたい」という方へ、プロの視点から3つのコツをお伝えします。
- 規格サイズを活用する:
メガネ銘板や短冊銘板など、業界の標準サイズに合わせることで、材料のロスを減らし加工コストを抑えることが可能です。
- ロット数による素材の使い分け:
1枚〜数枚なら「機械彫刻」が版代不要で安く済みますが、100枚単位なら「アルマイト」や「シール」の方が1枚あたりの単価を大幅に下げられます。
- 仕様をシンプルにする:
色数を絞ったり、穴あけの位置をまとめたりすることで、工程を簡略化できます。
執筆者:代表取締役社長 斎藤久雄
当社の代表。ウォーキングとトレッキングが趣味で現在日本百名山を40座制覇しており今後残り60の登頂を目指しています。シルク印刷が専門で印刷する素材や形状に合わせてより良い方法を考え日々様々な工夫をしています。